ヴァンサン・ジラルダン 来日テイスティングセミナー その1
ヴァンサン・ジラルダン 来日テイスティングセミナー その1
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さる2月下旬、ブルゴーニュの「ライジングスター」、ヴァンサン・ジラルダンのワインメーカーとセールス・マネージャーの来日セミナーに行ってまいりました。
ジラルダンのワインは当店でも20年近くの取り扱いになります。
当初は樽香の効いたパーカーの誉れ高いタイプでしたが徐々にオーガニック栽培になり2007年から2010年までは「ビオディナミ」を試みていました。
その後完全なビオディナミでは不都合な点があることからビオディナミに準じたリュット・レゾネへと移行しています。
ビオディナミ時期のジラルダンは正直店主の想うところと違った味わいになって行ってしまったのでしばらく品揃えを絞った時期もありましたがここ数年は力強さとナチュラルさの調和した店主好みの味わいになった(というより店主の嗜好がジラルダンのスタイルに追い付いてきた)ので再び注目をしておりました。
写真左がワインメーカーのエリック・ジェルマンさん、ムルソー出身でシャブリで名高いブノワ・ドロワンとも友人関係だそうです。
写真右はセールス担当のマルコ・カスケーラさん、元ニコラ・ポテルだそうで話し出したら止まらないといった感じの方でした。
試飲ワインはスタンダードからプレミアムまで白3種、赤3種、正直人気の高い著名なACのワインではありませんでしたから「ちょっとがっかり」というのが本音でした。
が、しかし、それは現在のジラルダンの想いである「たとえアペラシオンのヒエラルキーが低くても優れた畑からおいしいワインをつくりたい」ということの表現であるんだと思われました。
ちなみに「ヴァンサン・ジラルダン社」は2012年に「コンパニエ・ド・ヴァン・ドートルフォア社」に売却されジラルダン氏自身は現在直接的にはジラルダンのワインに携わってはいません。
ご自身の健康問題や後継者問題のためということでした。
しかし売却条件に「醸造や運営方法を変えないこと」という一文があり会社の組織やスタッフはそのまま引き継がれました。
また、葡萄栽培や醸造は10年間ヴァンサンの右腕として共にワインづくりをしてきたエリック・ジェルマン氏が引き継ぎ従来通りのワイン造りに励んでいます。
そのエリック・ジェルマン氏が語るには
「ピュアでエレガントなテロワールを表現するワイン、ブルゴーニュの多様性を表現するワインをつくりたい」
「まずぶどうありき、最高のぶどうを得るためにセレクションを収穫時、選果台での目視、光学センサーの3段階で行う」
「グラヴィティ・ラッキング(重力を利用した澱引き)によりぶどうのポテンシャルをそのままボトルへ」
「新樽を減らし樽熟期間を延ばすことにより樽のニュアンスを過度に出さないようにしている」
「白ももちろん赤も樽発酵、天然酵母を使用している」
などのポリシーをもってワイン造りに臨んでいるというお話でした。
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